アルコール入りの除菌シートは、手や口、テーブルの上などを、ちょこっと拭くのにウェットシートはすごく便利。
でもアルコール濃度が低いとウイルスの不活性化は効果が期待できないので、アルコール成分入りのウェットシートで拭いても消毒の効果がありません。
「手指消毒用アルコールジェル」のそっくりさん系も同じです。
濃度の記載がないということは、70%以上のエタノールは含まれていない可能性が高いです。
50%程度のものも販売されていますが、新型コロナウイルスに関しては効果は期待できません。
そこで、経産省による「エタノールに代わる消毒剤を検証(インフルエンザ)」の中間報告が 2020年4月30日に出されました。
追記:2020年5月23日に界面活性剤がコロナに有効だと発表がありました。
ここでは「エタノールの代わりになる消毒剤候補 」について紹介します。
界面活性剤が入ったハンドソープもあわせて見てくださいね。
アルコール成分入りのウエットティッシュは安全?
コロナ対策の除菌目的でアルコールが入っている方がいい!と使っている人も多いのではないでしょうか。
でも、アルコール入りのウェットシートで顔や目の周り、唇などデリケートな皮膚を拭くのは本当はあまりいいとは言えません。
たぶん皮膚が荒れたりボロボロになってしまう可能性も。
日常的にアルコール消毒をしているので私も手荒れを起こして指紋もほぼ消えかかっています。
エタノール70%以上の濃度の消毒剤は皮膚によくないんですよね。
粘膜は刺激に弱いのでアルコール等の刺激物は過敏症の人は、ただれたりする症状が出る可能性があります。
そのくらい、アルコール入りの除菌ウエットティッシュは肌に良くないんですよね。
皮膚のうすい顔や目の周り、唇は、アルコール成分が入った商品は使わないほうが安全。
アルコール成分の濃度が低いとコロナウイルスの不活化の効果はありません。
除菌の効果はあるかもしれませんが、あくまでもそれは細菌に対するもの。
最近はアルコール成分濃度無記載の「なんちゃって手指消毒用ジェル」を多く見かけます。
アルコール成分入りのウェットティッシュも同じ。
コロナウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを薄めた溶液を使用しましょう。
ただし、手指消毒用には使えません。
最後に水拭きも忘れずにしてくださいね。
経産省による「エタノールに代わる消毒剤を検証」中間報告(2020年4月30日)
2020年4月30日(木)にでた、経産省による「エタノールに代わる消毒剤を検証(インフルエンザにおける)」の中間報告はこちら。
参考記事>>インフルエンザウイルスを用いた代替消毒候補物資の 有効性評価にかかる検証試験の結果について(令和2年4月30日)
難しいことがたくさん書いてありますが、見ててみると対象は物品消毒のよう。
今回の対象は"手指、人体対象ではない"とのこと。
対象が手指、人体対象出ないと意味がないですよね…
物品消毒なら、次亜塩素酸ナトリウムでOK。
今は、手指用の消毒の代替品が必要ですよね。
コロナウイルスでの検証結果は、5月中旬に発表予定とのこと。
となると…
結局のところ現時点では、手指に使える消毒剤は今のところはエタノール(濃度70%以上)のみ。
厚生労働省はエタノール濃度70%以上を推奨しています。
エタノール濃度が原則 70~83vol%の範囲内であること。
検証試験の結果を簡単にまとめると
- 台所用洗剤(界面活性剤)の一部
- 亜塩素酸水(食品添加物として認められている電解水のみ)
- 塩化ベンザルコニウム
には、インフルエンザウイルスに対する不活性化の効果が一定数認められているようです。
この3つは文献調査で消毒効果の可能性があるのではないかということがわかっているので、今後消毒効果の検証を進めるそう。
もし効果が認めれ、除菌ウェットシートの成分に界面活性剤や塩化ベンザルコニウムなどが含まれていれば、コロナ対策の消毒用として使えるということになります。
不活性化の効果とは
不活性化の効果とは活動・反応しない状態。特に化学反応がしにくい状況。
5月中旬の経産省の発表が気になります。
でも本当は手指消毒用のエタノールに代わる消毒剤が必要なんですよね。
しばらくは、手指をハンドソープでしっかり洗うしか方法はないみたいです。
経産省による「界面活性剤」についての報告(2020年5月25日)
経産省から「界面活性剤が新型コロナに有効」だと第一弾の報告がでました。
洗剤に含まれる界面活性剤で新型コロナウィルス が効果的に除去できるとのこと。
試験で効果が確認された7種類の界面活性剤はこちら。
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- アルキルグリコシド(0.1%以上)
- アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
- 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)【5月28日追加】
- 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)【5月28日追加】
効果が確認された界面活性剤が使われている洗剤のリストを NITEウェブサイトで公開中。(随時更新)
【一部の製品例】
- 花王:かんたんマイペット
- 花王:バスマジックリン
- P&G:除菌ジョイコンパクト
- ライオン:ママレモン、チャーミーマイルド
>>界面活性剤が含まれている製品リスト(2020年5月29日版)
ちなみに手指、皮膚への消毒には使用できませんのでご注意くださいね。
経産省の報告はこちら
次亜塩素酸水については、第二段で検証報告されるようです。
今のところ、新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の有効性は証明されていません。
界面活性剤入りのハンドソープ
新型コロナウィルスへの効果が確認された界面活性剤が使われているハンドソープを紹介します。
ただし、何%含まれているかの表示がないので、経産省がだした基準値より少ないと思った方がいいかもしれません。
【ビオレガード薬用泡ハンドソープ(指定医薬部外品)】
泡がツメやシワの間に速攻アプローチし汚れやバイ菌をしっかり洗い落とす。
弱酸性で手肌に優しいタイプ。
イソプロピルメチルフェノール*、水、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(1E.O.)液、濃グリセリン、エタノール、アルキルグリコシド、グリセリルエチルヘキシルエーテル、POEラウリルエーテル酢酸、エデト酸塩、PG、DL-リンゴ酸、水酸化ナトリウム液 *は「有効成分」無表示は「その他の成分」
【ビオレu薬用泡ハンドソープ(指定医薬部外品)】
素肌と同じ弱酸性のハンドソープでカサつきがちな手肌もうるおいを守って洗える。
殺菌成分を配合し手に香りが残りにくくマイルドシトラスの香り。
バイ菌を増やさない抗菌加工のポンプヘッド採用。
イソプロピルメチルフェノール、水、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(1E.O.)液、PG、アルキルグリコシド、POE(21)ラウリルエーテル、エタノール、濃グリセリン、POE(3)ラウリルエーテル、POEラウリルエーテル酢酸、DL-リンゴ酸、ラウリン酸ポリグリセリル、安息香酸塩、エデト酸塩、塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース、水酸化ナトリウム液、香料
【ビオレガード薬用ジェルハンドソープ(指定医薬部外品)】
ツメやシワのすき間の汚れやバイ菌を殺菌成分配合のジェルがしっかり洗い落とす。
イソプロピルメチルフェノール、水、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(1E.O.)液、濃グリセリン、エタノール、アルキルグリコシド、グリセリルエチルヘキシルエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、POEラウリルエーテル酢酸、エデト酸塩、PG、DL-リンゴ酸、水酸化ナトリウム液
【ビオレu キッチンハンドジェルソープ(指定医薬部外品) 】
泡立つジェルタイプ。調理中の手に付いたひき肉のヌルつき脂・生魚のニオイ汚れも分解パワージェルで一気に洗い落とします。
イソプロピルメチルフェノール、水、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(1E.O.)液、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液、濃グリセリン、POE(21)ラウリルエーテル、POEラウリルエーテル酢酸、エタノール、ベタイン、グリセリルエチルヘキシルエーテル、グリセリンモノイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(6E.O.)、POE(3)ラウリルエーテル、DL-リンゴ酸、安息香酸塩、水酸化ナトリウム液
【薬用せっけんミューズ 泡 ハンドソープ (指定医薬部外品)】

食べ物のニオイが取れて石鹸のニオイが残らないタイプ。泡で出てくるので調理中でも簡単に使えます。
3つの保湿成分配合(ヒアルロン酸、ビタミンC誘導体、緑茶成分配合)
POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム液、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、濃グリセリン、アルキルグリコシド、POE(17)POP(17)プチルエーテル、エデド酸塩、POE・ジメチコン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、チャエキス(1)、ヒアルロン酸Na-2、ビタミンCリン酸Mg、クエン酸、クエン酸Na、香料、エタノール、黄色203
【キレイキレイ 薬用ハンドジェル(指定医薬部外品)】
外出先で水が使えないときや家ですぐ手を洗えないときに水なしでサッと消毒できるタイプ。
有効成分:ベンザルコニウム塩化物 0.05w/v%
添加物:D-ソルビトール、カルボキシビニルポリマー、水酸化K、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ヒアルロン酸Na、エタノール
殺菌力が高い成分のハンドソープを使用すると肌が荒れてしまうこともあるので、敏感肌・乾燥肌の人が毎日使うには注意が必要です。
殺菌成分が配合されているハンドソープを使っても完璧に除菌ができるわけではありません。
きちんと泡だててしっかり手を洗うことが重要ですので、まずは丁寧な手洗いを心がけましょう。
ウェットティッシュに含まれる「第4級アンモニウム塩」
ウェットティッシュには含まれる「第4級アンモニウム塩」が含まれています。
「第4級アンモニウム塩」とは、ウエットティッシュの成分表示で「塩化ベンザルコニウム」と表記されている成分のこと。
多くのウエットティッシュの成分表示で
- 塩化ベンザルコニウム
- 塩化セチルピリジニウム(セチルピリジニウムクロリド)
の表記を見ることができます。
除菌”や”アルコール”をうたっていないウエットティッシュにも「塩化ベンザルコニウム」が成分として入っています。
もし第4級アンモニウム塩に消毒効果が認められて「塩化ベンザルコニウム」が成分として入っているノンアルコールのウエットティッシュを利用した場合、新型コロナウイルスに対する予防が期待できるという経済産業省のお墨付きになります。
テーブルやドアノブなど頻繁に手で触る部分をふいたり食事前に手をふく時に使えますね。
エタノールの濃度と殺菌効果
コロナウイルスを含めウイルスや細菌の除去にアルコールは効果があるとされていますが、重要なのは含まれている濃度。
アルコール濃度が低いとウイルスの不活性化や殺菌などの効果が期待できません。
最も適しているとされるアルコール濃度は70~80%程度です。
厚生労働省は「新型コロナウイルスに関するQ&A」の中で「アルコール消毒(70%)などで感染力を失うことが知られています」と表記しています。
参考記事>>新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
100%近いものであれば、消毒・除菌効果はあるものの「揮発性が高いためウイルスを除去しきる前に蒸発してしまう」可能性があるそう。
実際に売られている商品を調べてみました。
- 健栄製薬「手ピカジェル」は(76.9~81.4vol%)
- サラヤ「ハンドラボ 手指消毒スプレーVH」は(76.9~81.4vol%)
のように、確かにエタノール濃度が表記されています。
ネット通販で見かける「手指消毒用アルコールジェル」も同じ。
濃度の記載がなければ「70%以上のエタノールは含まれていない」可能性が高いです。
アルコール50%程度のものも販売されていますが、コロナウイルスに対しては効果は期待できません。
一部の商品には濃度の記載がなかったり「アルコール洗浄タイプ」や「清涼剤・溶剤として」になっていました。
つまりアルコールは消毒用途ではないですよね…。
購入する時は、自身が求めている効能と商品の成分や効果があっているかを確かめてくださいね。
↓パワフルな除菌力・消臭対策 肌に優しく安心の効果↓
清潔さを保つために手洗いは必須
清潔に保ちたい人は手洗いなどの対策が必要不可欠。
厚生労働省やWHOなどの公的機関が一般の方々に伝えている手指の衛生対策は2つ。
- 手洗い
- アルコール消毒
消毒用のアルコールが手に入らなければ、手洗いを心がけるしかありません。
ちなみに、エタノール消毒は効果を得るには少なくとも15秒は必要。
しっかりと手にすり込んでしっかり乾燥させることが大事と考えられています。
保湿成分配合で肌の乾燥対策
エタノールを選ぶうえで着目するのは濃度。
でも、直接手指につけるものだから肌のことを考えると、保湿成分が配合された消毒液がいいですね。
エタノールの使いすぎると手荒れの原因になります。
保湿成分が配合されていれば消毒だけではなくつけた後に肌がしっとりするので、肌荒れ対策にもぴったり。
手荒れが気になる人はグリセリンなどの保湿剤が含まれたアルコール系消毒薬を選んだり、使用後にハンドクリームを使うのが良さそう。
まとめ:【エタノールの代わりになる消毒剤】界面活性剤が有効(経産省からの報告)
2020年5月22日に経済産業省から「界面活性剤が新型コロナウィルスに有効」だと発表がでました。
ちなみに手指、皮膚への消毒には使用できませんのでご注意ください。
マスクも以前に比べるとあちこちで販売されるようになってきましたね。
早くコロナが終息しますように・・。
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